商標登録出願の審査は特許庁の審査官が行います。しかし、審査官も人間です。商標の過誤登録がなされる場合がゼロということはありえません。
そこで異議申立制度と無効審判があります。
異議申立制度とは、商標掲載公報の発行の日から二月以内に限り一定要件下で、商標登録について異議を申し立てることができる制度です。
この異議申立制度は何人も請求することができ、商標登録に対する公衆審査的な側面を持ち、商標登録に対する信頼を高めるという役割を果たしており、異議申立理由は公益的事由が主なものとなっています。
これに対して、無効審判は利害関係人にのみ認められており、私益的事由や、商標登録後の後発的な無効理由(条約違反、商標権者が商標権を居有することができない者になった場合等)が含まれております。
一般的には異議申立を行い、それでも駄目なら無効審判ということになりますが、異議申立制度は、原則として書面審理の形をとり、また参加については商標権者側にしか認められておりませんので、明らかな利害関係がある場合は口頭審理による当事者対立構造をとる無効審判で一気に決着を着けたいと考えられる方もいらっしゃるようです。異議申立にするか、無効審判を請求するか迷っていられるようであれば、異議申立の請求期間は非常に短期間な為、専門家への迅速な相談が必要と言えるでしょう。