オタク婚活事件 知財高裁平成26年5月14日判決

原告は、指定役務を「第45類:結婚又は交際を希望する者への異性の紹介、インターネット上でのウェブサイトを利用した異性の紹介及びこれに関する情報の提供、インターネットを利用した結婚に必要な情報の提供」とする商標登録第5544516号「オタク婚活(標準文字)」の商標権(以下、「本件商標」とします。)を持っていましたが、訴外Aにより異議申立が行われ、商標法3条1項3号を理由として取消決定を受けました。
原告はこれを不服として、本件訴訟を提起しました。
知財高裁は、「本件商標は、その指定役務に使用されたときは、『オタク』と称される人向けの結婚するための活動を支援する異性の紹介、情報の提供などといった役務の質(内容)を表示するものとして、取引者、需要者によって一般に認識されるものであって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであったものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他役務識別力を欠くものというべきである。」として3条1項3号に該当すると判断しました。原告は、本件商標は3条2項に該当するとの主張もしており、広告チラシなどを多数証拠として提出していますが、知財高裁は、「原告が『アエルラ』の名称で『オタク婚活パーティー』を事業として行っていることを示すものにとどまるものであって、『オタク婚活』の語が原告の事業の出所を示すものとして広く知られていることをうかがわせるものではない。」との判断を示し、3条2項該当性についても否定しています。

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