原告は、平成24年11月16日に「しあわせ牛」の文字を標準文字により表してなる商標(本願商標)について、第29類「牛肉、牛肉製品」を指定商品(本願指定商品)として登録出願をしましたが、「千葉しあわせ牛」を引用され、拒絶審決を受けたので、これを不服として本件審決取消訴訟を提起しました。
牛肉の業界においては、「県名又は地域名の表示+○○牛」という商標があった場合に、県名又は地域名の表示を省略して、「○○牛」の部分のみを使用するという取引実情があることから、知財高裁は、「本願商標と引用商標の外観は、『千葉』という文字の有無について差異があるが、引用商標の要部である『しあわせ牛』の部分の構成文字は同一である。そして、本願商標と引用商標の要部からは、『シアワセギュウ』又は『シアワセウシ』の称呼が生じ、これらの文字は、『幸せな牛』との意味合いを想起させる点でも同一である。他方、本願商標の指定商品である『牛肉、牛肉製品』は、引用商標の指定商品である『牛肉』と対比すると、『牛肉』部分で同一であり、『牛肉製品』の部分で類似する。」として、本願商標は商標法4条1項11号に該当するとの判断を示しました。