原告・被上告人であるAは、商標「eAccess」を商標登録出願しましたが、商標法4条1項11号で拒絶査定を受けました。
Aは拒絶査定不服審判を請求しましたが、請求は認められませんでした。Aは審決取消訴訟を提起後、商標法10条1項に基づき分割出願を行い、その後本件出願の指定役務を「建築一式工事」に減縮する手続補正書を提出しました。
本件訴訟の争点は拒絶審決取消訴訟係属中に出願分割を行い原出願の補正を行った場合、補正の効果が遡及するのかどうかということです。
最高裁は、「拒絶審決に対する訴えが裁判所に係属している場合には、商標法10条1項の規定に基づいて新たな商標登録出願がされは、もとの商標登録出願について願書から指定商品等を削除する補正がされたときには、その補正の効果が商標登録出願の時にさかのぼって生ずることはなくは、審決が結果的に指定商品等に関する判断を誤ったことにはならないものというべきである。」との判断を示しました。