DIAMETRING事件 東京高裁昭和57年9月30日判決

被告は、「六稜星の中に十字形を描いた図形」の下部に「DIAMETRING」の欧文字(大文字D、M、Rが他の大文字より幾分大きくしてある)と「ダイヤメツトリング」の片仮名文字を二段に横書きにした、図形と文字との結合から成る商標(以下、「本件商標」とする。)の商標権者です。

原告は、本件商標に対して不使用取消審判を請求しました。

しかし、特許庁は「六稜星の中に十字形を描いた図形」のみの使用も本件商標の使用にあたると判断し、請求不成立との審決がでました。 原告はこれを不服として本件訴訟を提起しました。

東京高裁は、「『六稜星の中に十字形を描いた図形』(本件商標から文字部分を除いた図形と同一のものと認められる)が商標として用いられた場合に、その使用は本件商標の使用といえるかどうかという点について考えるに、本件商標は、前認定のように、図形と文字の結合したものであり、その結合は、いずれを主要部分とし、いずれを補助的(附記的)部分とするかとの判断を不能ならしめるほど分ちがたいものであつて、本件商標から図形部分のみを抽出して、それを商標として使用したとしても、その使用は、もはや本件商標の使用であるということはできない。商標法第五〇条が、『商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品についての登録商標の使用をしていないとき』という場合の『登録商標の使用』とは、商標権者が指定商品について登録商標の使用をする権利を専有する(商標法第二五条参照)範囲、すなわちいわゆる専用権を有する範囲内における登録商標の使用をいうものであつて、その範囲を超え、商標権者が禁止権を有するに止まる範囲、すなわち、指定商品又は指定商品に類似する商品についての登録商標に類似する商標の使用(商標法第三七条第一号参照)を含まないものと解すべきである。」として、審決は違法であるとして取消しました。

お気軽にお問合せください!

お問合せ・ご相談

主な業務地域
日本全国

連絡先 お問合せフォーム