マクドナルド事件 大阪地決平成5年10月15日

債権者はハンバーガー・レストランチェーンとして著名な米国法人マクドナルド・コーポレーションが資本の五〇パーセントを出資し、残りの五〇パーセントを日本法人が出資して設立された合弁会社であり、米国マクドナルド社とのライセンス契約に基づき、ハンバーガー類の販売を業としている。債権者及び米国マクドナルド社の略称である「McDonald's」又は「マクドナルド」は、債権者の営業を示す表示として我が国において著名であり、また、債権者が商品の容器及び包装に使用する「M」の文字の下段に「McDonald's」の文字を横一列に配した標章、(以下「債権者商品ロゴマーク」という。)も、債権者の商品及び営業を示す表示として我が国において著名です。
債務者は、パチンコホール及びマージャンクラブの経営等を業とする株式会社であり、債権者の商品ロゴマークと類似するものを使用しているので、債権者はその差止を請求しました。
大阪地裁は、「債権者ロゴマークは、【1】二個の細長いアーチ型を左側アーチの右側部と右側アーチの左側部が重なるように組み合わせたM字形で、【2】何処にも直線又は角の部分がなく、【3】アーチの幅がMの左、右、中央各下端から山型の頂部に向けて順次滑らかに細くなり、頂部が細い円弧状になっており、【4】M字の中央下端が左右下端部よりも僅かに上方にある、という顕著な特徴を有し、他にこれらの特徴を全て備えたMが存在することは本件全疎明によっても認めることができないのであるから、たとえ、アルファベットのM一文字という簡単な標章であっても、字体に特殊な技巧が加えられているというべきであり、このような標章が債権者により長期間継続して使用、広告宣伝された結果、現在では、債権者の営業を表示するものとしての自他識別力を備えていると考えるのが相当である。」との判断を示しました。

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