控訴人と被控訴人は共にガムを含むお菓子の製造販売業を行っています。被控訴人は広告で被控訴人の製品は控訴人の製品の約5倍の歯の再石灰化効果がある旨の表示を行っていました。控訴人は被控訴人の行為は、不正競争防止法2条1項13号所定の品質等誤認表示及び同項14号所定の虚偽事実の陳述流布に当たるとして、本件訴訟を起こしました。
知財高裁は「本件比較広告の本件比較表示や【1】の棒グラフは、被控訴人の製品であるポスカムが、控訴人の製品であるキシリトール+2の約5倍の再石灰化効果を有することを表示するものである。しかしながら、その根拠である 実験が合理性を欠くものといわざるを得ないことは、上記のとおりであり、他にポスカムの再石灰化効果がキシリトール+2の約5倍であるということの根拠は何ら主張されていないから、ポスカムが、キシリトール+2の約5倍の再石灰化効果を有するというのは、客観的事実に沿わない虚偽の事実というべきであり、被控訴人が 上記【1】の本件比較表示や【2】の棒グラフを含む本件比較広告を実施した行為は、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為として、不正競争防止法2条1項14号に該当するものである。また、本件比較広告がポスカムに関するものであることは明らかであるところ、上記のとおり、【1】の本件比較表示や【2】の棒グラフは、ポスカムがキシリトール+2の約5倍の再石灰化効果を有することを表示するものであり、かつ、それが客観的事実に沿わないのであるから、本件比較広告のこれらの部分は、ポスカムの品質を誤認させるものというべく、したがって、被控訴人が、これらの部分を含む本件比較広告を実施した行為は、同項13号に該当するものである。」との判断を示しました。