フイゴ履事件 東京地裁昭和47年3月17日判決

原告Aはフイゴを業として製造販売しており、 原告Aを除くその余の原告らは、「フイゴ履」その他の履物の製造販売を業とするものです。被告は、「履物台」に関する登録実用新案の専用実施権者で、原告らは被告の専用実施権を侵害しているとして、週刊誌や月刊誌に原告の商品は被告の実用新案に抵触するものであるから注意されたい旨の広告を掲載したり、原告らの取引先に対して販売停止等を求める旨の書面などを送付していました。
原告らは、原告らの製品は被告の考案の技術的範囲に属するものではなく、被告は虚偽の事実を陳述し、流布したとして本件訴訟を提起しました。
東京地裁は、原告らの「フイゴ履」は被告の考案の技術的範囲に属するものではないと認定しました。そして、被告が原告らの取引先に対して販売停止等を求める旨の書面などを送付していたことについては、「被告が、...原告らが主張するような行為をしたことについては、当事者間に争いがなく、右争いのない事実によれば、右行為は、原告らの『営業上ノ信用ヲ害スル......事実ヲ陳述シ又ハ之ヲ流布スル行為』であることは明らかであり、また、前説明のところから、右行為は、『虚偽ノ事実』を陳述しまたはこれを流布する行為であることもまた明らかである。しかして、右行為によつて原告らがその営業上の利益を害せられる虞れのあることは容易に推定することができるから、原告らは、被告に対してそのような行為を止むべきことを請求できるものといわなければならない。」と判断しました。

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