商品の小分け行為について(マグアンプK事件)

マグアンプK事件(大阪地裁平成4年(ワ)第11250号)

事件は真正商品の小分け販売について商標権の侵害が認められた事件です。

原告は「MAGANP」という園芸肥料の商標権者で、アメリカの法人と独占的販売契約を結んで、日本に輸入していました。被告は原告の商品(容量約22キロ)を500gずつ透明のビニール袋に小分けし、Xの商標をつけて販売していました。XはYに警告書を送り、Yは警告書を受け取った後は袋に商標をつけるのはやめましたが、小分け品である旨を記載した表示を商品の近くに掲示して販売をつづけておりました。

本件において裁判所は、商品が真正品であるか否か、商品が小分け等によって当該商品の品質に変化をきたす恐れがあるか否かに関わらず第三者が、流通過程で商品を小分けし、再包装し登録商標と同一または類似の商標をしようすることは、商標権者が独占的に商標を使用する権利を妨げ、商標権者の利益を害するとして商標権の侵害とされています。

フレッドペリー事件

フレッドペリー事件はいわゆる並行輸入が適法と認められる場合について判断したものです。
本件はライセンシーがライセンサーの許可なく、契約地域外でライセンスを受けた商標を付して製造した製品について並行輸入が認められるかについて判断した事件です。

最高裁は並行輸入が認められる場合について以下のように判断しています。
「商標権者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付されたものを輸入する行為は、(1)当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、(2)当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、(3)我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には、いわゆる真正商品の並行輸入として、商標権侵害としての実質的違法性を欠く。」

本件につきましては、契約地域外で製造をしていた為、出所表示機能、又は品質保証機能を損なう為、本件の輸入行為は侵害と判断されました。

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